経済史の味変クルーグマン
経済史Ⅰの指定テキストと、参考文献の読み込み中。
↓ふせん貼りすぎて、収集つかず。リポートにどうまとめるべきか?
指定テキストは『図説 西洋経済史』(写真右下)。
参考資料として読んでいるのが、以下の3冊。
経済史Ⅰの指定テキストには、法政通信オリジナルの『スタディ・ガイド』(学習指導書)あり。20数ページの小冊子ながら、時代ごとに世界経済の重要ポイントを概観した内容なので、指定テキスト以外のものを読む際にも、歴史の中で迷子になりそうになるたび、現在位置(今、読んでいるところが、経済史上、どのような意味をもっているか)を確認できて、助かっている。
- 関連記事:スタディガイドの入手方法(手続き備忘録)
とはいえ、経済史って、どの本も基本的に同じ事柄について述べられているので、食傷気味の感は否めず。なので、お腹いっぱいになってきたあたりで、クルーグマンの本(写真左下)を読んだら、味変(あじへん)効果絶大だった。
内容は、戦後~1990年代のアメリカの経済政策の変遷を、ゴシップと特定人物のこきおろしを散りばめつつ解説した、という感じ。
クルーグマンにかかれば、『マンデル=フレミング・モデル』のロバート・マンデルも、ひどい言われようなのだった。
実のところ、70年ごろ、マンデルは一般的な経済学者とはさまざまな点で異なっていた。それは、長髪でゆっくりと口ごもるように話すなどの表面的なことだけでなく、通例の学会やセミナーには出席しなくなり、かわってイタリアのシエナ近くに所有する今にも壊れそうな別荘で、自ら会議を主催するなど、実質的にも逸脱していた。わけても重要な点は、彼が過去に培った経済学研究のスタイルを完全に放棄してしまったことである。70年以降、彼はほとんど論文を書かず、わずかに書かれたものも極端なレトリックを駆使するようになり、かつて自分が若い頃に唱えていた説を同僚の経済学者が支持しても、「全くのインチキ」として非難した。
あと、(クルーグマンがいうところの)正統派の経済学から外れたエコノミストに対して、ものすごく辛辣で、読んでいてハラハラする。それでいて、経済政策や、経済学理論についての説明はとても的確でわかりやすい。さすがはノーベル経済学賞の人だ。(本書が書かれたのは受賞前)
ところで、表紙のクルーグマンのフィギュアが『サンダーバード』っぽいと思うのは、私だけだろうか? 夜中、目が合うと、今にもカクカク首を揺らしながらしゃべりだしそうで、ちょっぴりこわい。
書籍情報
経済政策を売り歩く人々―エコノミストのセンスとナンセンス (ちくま学芸文庫)
- 作者: ポールクルーグマン,Paul Krugman,伊藤隆敏,北村行伸,妹尾美起
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/03/10
- メディア: 文庫
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