GoTheDistance!ジェニファーの法政大学通信ブログ

法政大学通信ブログ by ジェニファー。法政大学通信教育課程・経済学部商業学科に2015後期入学(3年次編入)。試験やリポート、学習の内容と進捗状況、日々の気付きなど。Go the Distance!最後までやり遂げよう!

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納屋を焼くモラルハザード

金融論の『情報の非対称性』のところで、ハマる。ここはむしろ、テキストをさらっと読んで確認する箇所だったはずなのに。

つまずきの要因は、『逆選択』と『モラルハザード』について、ノートに簡単にメモしたところ、

  • <逆選択>とは、情報の非対称性により、引き起こされる問題。相手のことを調べるのに『費用』がかかる。
  • <モラルハザード>とは、情報の非対称性により、引き起こされる問題。相手のことを調べるのに『費用』がかかる。

あれ? 同じなわけないんだけど? でも、端的に言葉で説明しようとすると、こうなってしまうのだった。要するに、自分が理解しているのが、これだけだということだ。

何しろ、指定テキスト『金融論をつかむ (テキストブック「つかむ」)』では、数ページにわたり、数式・グラフとともに『貸し手は、借り手が期待収益を最大化するように行動すると予想する』というような抽象的な説明がつづく。数字の分解酵素を持たない私にとっては、消化するのが困難で、肝心のリクツの部分だけ、さらっとまとめようと思ったのが甘かった。

しょうがないので、重量級の参考書(緑)『コーポレート・ファイナンス 第10版 下』をめくると、以下の例と小話?が載っていた。

【逆選択】保険会社が、「健康診断不要、質問も一切しません」という条件で生命保険を募集した場合、どのような人がこの生命保険に最も加入したがるかは簡単に理解できるだろう。これは、逆選択の問題の極端な例である。保険会社が良いリスクと悪いリスクとを区別できない限り、最も積極的に保険をかけたがるのは後者である。

【モラルハザード】2人の農夫が道で出会った。片方が言った。「ジョージ、君の納屋が焼けたと聞いたよ。お気の毒に」。もう片方が答えた「シーッ。納屋が焼けるのは明日の晩だ」。この話は、モラルハザードと呼ばれる保険会社の直面するもう一つの問題の例である。リスクに対し保険をかけると、持ち主は損害に対する適切な予防策を取るための配慮をあまりしなくなるかもしれない。

<『コーポレート・ファイナンス 第10版 下』p260>

あ、そっか! 逆選択の例と比べつつ、納屋を焼く小話を読んで、ようやくわかった。両者は取引のビフォー・アフターということか。つまり、取引開始の情報の非対称性によって、有象無象、玉石混交となってしまう『逆選択』。一方、取引開始の情報の非対称性で、ずっと相手を監視してるわけにもいかず、何をやらかすかわからない『モラルハザード』。

。。たったこれだけのことを理解するのに、ずいぶん時間がかかってしまった。ついでに、リスク管理の事例として、石油会社BPの保険戦略の変更(大きな損失に対して保険をかけないことにした!)とか、おもしろくて読みふけってしまった。

こうしてどんどん、時間が経過していくのだった。いつものことだ。。

書籍情報

コーポレート・ファイナンス 第10版 下

コーポレート・ファイナンス 第10版 下

  • 作者: リチャード・A・ブリーリー,スチュワート・C・マイヤーズ,フランクリン・アレン,藤井眞理子,國枝繁樹
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2014/06/20
  • メディア: 単行本
 

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