統計大論争と三河屋アマゾン
統計学のリポート課題等で、各種統計データを大いに活用させてもらったところなので、最近の政府統計に関する議論が、とても興味深い。
政府統計の信頼性と現場の苦労
内閣府も統計の機能不全を否定しない。実質GDPは15年7~9月期に速報値のマイナスから改定値でプラスに転じるなど、数字のぶれが信頼性を下げている。消費統計もネット販売を加味せず、若年層の購買行動を捕捉できていない。それでも「今ある統計を作るのに精いっぱい。改善の人手も予算も足りない」(内閣府)。
<『統計大論争(1)GDP信用できない』日本経済新聞 2016年9月20日付>
『消費者物価指数』の場合、全国3万の小売店に750人の調査員が出向き、3日かけて約460品目を調べあげるのだそう。
また、『家計調査』は、調査用紙に事細かに支出を記入する大変さもあって、回答者がなかなか見つからない。かつては回答を得やすかった高齢者も、近年では、元気なら働き、そうでなければ病院や介護施設にいるため、調査回収も容易ではないとのこと。
磯野家の家計調査
そのような調査にスムーズに協力できる家庭があるとすれば、どんな家だろう? サザエさん一家や、ドラえもんに出てくる子どもたちの家(ジャイアンの家は、お店をやってるから、お母さんも忙しそうだけど)とか? 若年層の消費行動を補足できないというのも、むべなるかな。。
実際、統計データを見ていると、消費品目や、所持している耐久消費財として、学習机、応接セット、和ダンス、ミシン、ピアノ、ビデオデッキ、祭具、等々、昭和の匂いのするものがずらりと並んでいて、それらにしっかり数字が入っているのだった。もちろん、中にはそういう家庭もあるだろうけど、『今の現実』からの距離感は否めない。
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三河屋アマゾン
ネット販売が、統計に加味されていない点についても指摘されている。
私自身は、何でもネットで買う方で、特にamazonでは、書籍はもちろんのこと、事務用品、デジタル機器、ペット用品、調味料、日用品、薬、と生鮮食料品以外、日々必要なものを注文しており、もはやネットの三河屋さん状態。amazon以前の自分の消費行動を、思い出すことができない。
これほどでないにしても、日常的にネットで買い物している人って、今や相当数存在するだろうから、もしそれらが統計データに反映されるとすれば、これまでとはびっくりするくらい異なる結果が出るんじゃないかと思う。
その場合、年度推移とか、どう辻褄を合わせるんだろう? 疑問はあるけど、新・政府統計が出てくるのが楽しみだ。現場の人たちは、大変なんだろうなぁ。。
参考:三河屋
【代名詞としての三河屋】
一般的には醸造されたものを扱う店(一般に酒屋と呼ばれる)の俗称である。酒などを扱うことから、ジュースなどの清涼飲料水、牛乳などの飲料全般、調味料、乾物などの食品を扱う店も多い。
【歴史】
現在では、八百屋同様、コンビニエンスストアに押されて閉めるものが増え、その数は昭和時代に比べかなり数を減らしているが、コンビニエンスストアで酒が扱えない時期に於いて、酒類販売の免許を基に酒類の扱えるコンビニエンスストアに転業(フランチャイズ加盟)し、改装したものも多い。ちなみにアニメ「サザエさん」で有名な「三河屋」の実際のモデルになった酒屋「三河屋」もコンビニエンスストアに転業して営業している。
<Wikipediaより>
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