GoTheDistance!ジェニファーの法政大学通信ブログ

法政大学通信ブログ by ジェニファー。法政大学通信教育課程・経済学部商業学科に2015後期入学(3年次編入)。試験やリポート、学習の内容と進捗状況、日々の気付きなど。Go the Distance!最後までやり遂げよう!

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失敗デジャヴ

失敗知識データベース』の失敗百選として、まだ記憶に新しい『みずほフィナンシャルグループ大規模システム障害 (2002年)』が挙がっている。

この失敗の原因をていねいに分析して、事の顛末がわかりやすく解説されているのだけど、金融やシステムにかかわる人たちはもちろん、日本の組織で働いたことのある誰もが、既視感を覚えるに違いないエピソードがてんこ盛りだった。

そもそもこの『システム障害』の主因は、『システム』ではなく『組織』であるとのこと。旧第一勧業、旧富士、旧日本興業銀行の3行が経営統合し、システムを統合することになった。ところが、

企業統治(ガバナンス)の欠如により経営統合した旧3行が自社のシステムの存続にこだわって主導権争いを演じ、システム統合の方針が二転三転、意思決定が大幅に遅れた。
システム統合に対して、本来、客観的に機能要件を調べたうえで、どこのシステムが望ましいかについて合理的な方針を導き出すはずであったが、旧3行の自社システムの存続にこだわった主導権争い等で、大変なシステム統合である割には、単に三つのシステムを繋げばよいという、タテ割り体制の弊害が見えるような、合理性を欠いたものとなった。

出た! 主導権争い。タテ割り体制。合理性は脇に置かれたまま。こうして、意思決定にめちゃくちゃ時間がかかった上、本来あるべきシステムからは、かけ離れた設計でいこうという判断。しかも、じゅうぶんなテストを行う時間的余裕は、すでになく。。

2002年3月22日、みずほホールディングス経営会議が開かれ、システム担当部署に大丈夫か確認したが、システム担当部署は「おおむね問題なく進んでいる」と回答したので、経営会議でそれ以上の確認はせず、予定どおりシステム移行することに決まった。
しかし、誤った口座振替データを入力してシステム全体の負荷を調べる異常テストは「時間的余裕なし」などの理由で見送られ、実行されなかった。

(中略)
システム統合のスケジュールの遅れは、前年からCEO(最高経営責任者)に数回にわたり報告されていた。これに対しCEOは「遅れを取り戻すように」などと指示するだけで、システム開発責任者の甘い見通しをうのみにし、突っ込んだ確認をしなかった。

テストをする余裕さえない状態を「おおむね問題なく進んでいる」と報告する(させられる)システム担当。そして、遅れを報告したらしたで、「遅れを取り戻すように」って。。

これらの会議の様子や、当事者たちのやりとりが、既視感をともなって目に浮かぶのは、私だけだろうか? 今この瞬間にも、これと酷似したやりとりが、どこかの会議室でかわされていたりしないことを祈りたい。

 

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