QWERTY経済学
経済史のリポートの参考として読みはじめたクルーグマンの本。
最初、リポート課題に関係のあるところだけ読んでおけばいいか、と思っていて、本の構成も部分読み可能なつくりになっているのだけど、おもしろくてやめられない。けっこう分厚い本だけど、こうなったらもう、最後まで読んでしまおう。
QWERTYとは?
今日読んだ中で特におもしろかったのは、『QWERTY経済学』のくだり。QWERTYというのは、キーボードの配列のことを指していて、その並びは、指の動きを考えると、決して効率的というわけではないとのこと。
アーム絡まり問題
この標準配列が決まったのは19世紀。もちろん当時はパソコンのキーボードではなく、タイプライターで、あまり早く打つと、文字を打ち付けるアームが絡まるという問題があったため、あえてこの配置になっていたそうで、、
そう! 絡まるのよ! 英文タイプを使っていた世代なので(※19世紀ではない)、よくわかる。構造としては、金属棒の先っちょのフォントを物理的に紙に打ち付けるため、『THE』とか一気に打つと、3本の金属棒がガシャッと折り重なって動かなくなってしまうのだった。
歴史的経緯依存性
その後、タイプライターも電動化され、アーム絡まり問題はなくなったので、より効率のよいキー配置に変更することも可能だったはずだけど、メーカーはタイピストが使い慣れたQWERTY配列のタイプライターを製造しつづけた。
これと類似した技術選択として、VHSビデオが特に優れていたというわけではないのに普及したケースなども。
つまり、市場経済の結果は、しばしば歴史的偶然に依存している、ということをQWERTY経済学は示している由。
経済地理おもしろそう
また、多くの産業において、生産基地が特定の地域に集中してしまうのも、歴史的な偶然に依るところが大きい、とこれはイギリスの偉大な経済学者アルフレッド・マーシャルが言っていた。
。。と、クルーグマンが言っているのを読んで、経済地理おもしろそう、と思ってしまった。
それで思い出したのだけど、以前、統計局のHPで、食品の品目別支出金額の地域別ランキングを見て、お茶は静岡、カステラは長崎、しゅうまいは横浜って、当たり前すぎる、とケチをつけたことがあった。でも、それら地域に産業が集積することになった『歴史的経緯依存性』に目を向けたら、もっと深いものが見えてくるのかもしれない。経済地理(4単位科目)、いっとくか?
でもその前に
でもその前に、まずは経済史のリポートだ。あと、財務会計もやっておかないと、簿記会計方面が手薄になってしまう。それから、メディアスクーリングの広告論も受講をすすめなければ。
時間を上手に使って、計画的にいかないと、とっ散らかっていく一方だ。落ち着いて、がんばろう。(むずかしい。。)
書籍情報
経済政策を売り歩く人々―エコノミストのセンスとナンセンス (ちくま学芸文庫)
- 作者: ポールクルーグマン,Paul Krugman,伊藤隆敏,北村行伸,妹尾美起
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/03/10
- メディア: 文庫
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