定年ホームレスとは?
長寿社会での人生の過ごし方について、考えさせられる記事を読んだ。
<『サラリーマン 「定年ホームレス」の落とし穴』日経ビジネスSELECT 2016年9月20日付>
定年ホームレスとは?
ここで言う『定年ホームレス』とは、定年退職後に自分の居場所がないことを指している。それまで会社が居場所だったサラリーマンにとって、マイホームは憩いの場にあらず。
定年後の三大聖地
では、どこに行くかと言うと、図書館、裁判所、公園。お金のかからないこの3か所が『聖地』で、連日、裁判傍聴に通い続ける高齢者たちが、裁判所内のベンチで談笑しているとのこと。他にも『東京シルバーパス』を使って、始発から最終便まで、ひたすらバスに乗り続ける人も。
あるいは、思い切って田舎に移住するも、地元コミュニティの高い壁に阻まれて、うまく溶け込めず、逆にストレスを抱えたり。。といった具合で、安住の地を得るのは、容易ではなさそう。
戦略と修行
そして、上記記事写真の男性たちは、兵庫県のお寺が開催する、定年退職者を対象にした修行プログラムの参加者。1年間の修行期間の後、本山でのテストに合格すれば、「看坊職」という肩書が得られる。(住職がいない空き寺の留守番役になれる)
このプログラムが始まって2年の間に、すでに400名の応募があったとのこと。人気の秘密は、会社という居場所をなくした後の受け皿として、さらに修行の後、僧侶という肩書を得られれば、田舎に移住しても地域に受け入れてもらえるのだそうだ。
ちなみに、この修行プログラムの考案者は、定年退職後に出家して住職となった元ビジネスパーソンで、現役時代には、大手企業の米現地法人社長まで務めたという人物。すごい。
老後にしっかりと居場所を確保するためには、戦略と修行が必要ということか。
老後の未来
平均寿命の伸長で、定年から死ぬまで約30年。自由な時間は10万時間を超える。
と、上記記事中にあった。そんなにも時間があると、もはや『自由』ではなくなりそうだ。
さらに、自分が高齢者の仲間入りをする頃には、周りも高齢者だらけだろうから、『お年寄りに席を譲りましょう』どころじゃなくて、年寄りも自力でどんどん自分の居場所を取りにいかなきゃいけないのかもしれない。
なんか、厳しそうで、気が遠くなる。とりあえず、しっかり勉強して、最近サボりがちになっているダンベル運動もちゃんとやることにしよう、とこの記事を読んで決意したのだった。
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