リポート完成【原価計算論Ⅱ】
原価計算論Ⅱのリポート、完成。
それと、先週、いったん完成したはずだった原価計算論Ⅰの方も、ワードの脚注機能をちゃんと使って、リポート修正。(参考:リポート返却【経済史Ⅱ】)
(いい加減にやっていると、結局、こうして余計な手間と時間がかかるということを、いったいいつになったら、学習するのだろう?)
論ぜよ。
さて、今回のリポート設題は、
企業を取り巻く製造環境の変化と、そのもとでの標準原価計算の役立ちについて論ぜよ。
論ぜよ、と言われても、何をとっかかりにして、どこに向かって進んでいけばいいのか、けっこう悩ましかった。
参考文献(重量級)
原価計算論Ⅰ・Ⅱとも、リポート作成にあたっては、この本がいちばん頼りになった。
『原価計算(六訂版)』
約1000ページあるだけに、説明がくわしくて非常にわかりやすい。
しかも時々、ものすごくおもしろい記述に出会うので、油断ならないのだった。
たとえば、『実際原価の変動性』についての解説。
(略)工員がたまたま朝夫婦喧嘩をやって、むしゃくしゃしながら製品の製造に従事していたため、a材料を製品1単位を製造するために、通常は約10個必要とするのを、1個仕損じて、11個必要としたとしよう。この場合、巨額の仕損でないとすると、実際直接材料費を計算する場合、材料の実際消費量は11個で計算されるのである。あるいは逆に、家庭円満で、気分が爽快である場合、実際消費量は9個ですむかもしれない。例をあげればきりがないが、これを要するに実際原価計算では価格や作業能率の偶然的変化が、すべてそのまま、製品の実際単位原価に影響を及ぼすのである。
どこか昭和の趣の夫婦喧嘩の描写に笑いつつ、製造現場でのその時々の偶然の変化がそのまま、実際直接材料費を上下させてしまうという意味が、すんなり理解できた。
バラ色の原価計算
そして、極め付けは、こちら。原価計算の過去と未来はどのようなものかと言うと、
原価計算が歩み始めたのは、せいぜい19世紀の後半からであり、20世紀の初めにおいても、人々の印象では、原価計算というと、木造の、隙間だらけの汚い工場の事務室で、老人が黄色いセルロイドの目庇のついたキャップをかぶり、洋服が擦り切れないように肘宛てをつけ、黴臭い帳簿に、ブルブル震える手で鵞鳥の羽のペンをもち、工員の賃金を記録するといった光景が浮かんだものであった。
なんだかもう、ディケンズの小説も顔負けの人物描写である。
そんな旧時代的イメージの原価計算であったが、その後、飛躍的な発展を遂げ、さらに『原価計算の将来は、バラ色である』とつづく。
こんなにも力強く言い切られると、本当にそんな気がしてくる。
出会えてよかった、重量級の参考文献であった。
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